書きたい事を箇条書きにする
文章の苦手な人は構成を決めずに文章を書き出してしまう
文章を書くのが苦手な人の特徴は、最初から文章を書き出してしまう事にあります。書き出してから考えるものだからまとまらず、何度も作り直す事になります。
何度も書き直さないレポートづくりに必要なのは、まずキャッチコピーを決める事です。順番を一切決めず、書きたいと思っている箇条書きを羅列するのです。おおよそ10枚のレポートで30個くらいでしょうか。
30個という数を羅列すると、似たような内容が幾つかあるはずなので、その内容を一括りにしてゆきます。当然均等にはいかないかと思いますが、括りが一桁になると自分の書きたい本来のテーマが見えてきます。
文章を書く事の本質は加筆する事よりも、削る事にあると僕は思っています。
箇条書きは自分を客観視する手段でもある
実際に30ある表題を元に書いてみるとわかると思いますが、スラスラと書き進みやすい表題と、書き進みにくい表題に分かれると思います。そういった書きづらい表題は、無理に書い進めず保留して表題としての役割ではなく、文章の中に入れれば良いのです。
書き進めづらい表題というのは、1軍では通用しなくとも、草野球ではエースで4番のような存在です。
箇条書きは文章の構成を決めるという事のほかに、自分を客観視するという役割もあります。偏りが出てくる事で本来の目的・趣旨が明確になりやすいのです。
はじめにすべき事 ページ数の3〜4倍のキャッチコピーを作る
起承転結捨て刑事コロンボに徹する
結果を先に出すストーリー展開
前項でまとめたキャッチコピーを元に構成を決めます。
文章やストーリーを作るときの基本として起承転結を考えがちですが、レポートや企画書の場合このノウハウは当てはまりません。
刑事コロンボをご存知でしょうか。この映画の特徴は一般の推理ドラマのように犯人を暴くものではありません。完全犯罪を刑事コロンボがその綻びを徐々に紐解いていくというストーリーです。
要は結果や結論を先に出してしまう手法です。
印象に残るのは必ずしも結果ではない
この手法のメリットは最初に出した結論が大げさでも構わないという点にあります。
この手法だと「STAP細胞は存在する」と最初に結論を出しても問題にならないのです。
この結論はあくまで仮定とし、その上で刑事コロンボが完全犯罪の綻びを探すように検証・実験の過程で理論付けてゆけばよいのです。
例え思うような結果にならなかったとしても、可能性や検証の価値がある事を結論とすればそれは立派な論文です。
そして印象に残るのは最初に出した大げさな結論です。
レポート・企画書の構成は最初に大げさな結論を出す事
文章を書くのは最後まずは素材集め
キャプションをつける事が文書を書きやすくしてくれる
キャッチコピーと構成が決まったら文章を書き出したくなってしまいますが、早く仕上げるのであれば次に進める事は以下のとおりです。
- 表やグラフの作成
- 写真の選定
- 引用文献のまとめ
これらの素材集めです。なぜ文章よりも先に素材が必要なのかというと、写真やグラフにつける文章、俗にキャプションと呼ばれるものの方がはるかに書きやすいからです。
短いセンテンスながらも要約した文章であるため書きやすく、ここで書く文章というのは結果論であるため、文章の参考にしやすいのです。
箇条書きした文章に合うグラフや写真を探すという行為が新たな気づきをあたえてくれます。
一番大事な事は誰に伝えるか
企画書は団体戦。参加させて肯定派を増やす
レポートの目的はよい成績をおさめる事。企画書の目的は企画を通す事にあります。
企画書の場合は、企画そのものよりも過程が大事です。企画に対して意見を聞きながら修正をして多くの肯定派を作る事にあります。
プレゼンのロールプレイングを見てもらうのもよいでしょう。このように企画書は自分だけで作らないというのがポイントとなります。
ロールプレイングによる駄目出しは、自分の成長にもつながります。社会人は人を頼る事の上手さがポイントとなります。
レポートを評価する相手は横着を見抜く百戦錬磨だと心得よ
レポートの場合はまた状況が違います。人の意見など聞いてはいけません。特に「レポートなんて簡単だよ」と奢っている人の真似だけはしないでください。なぜなら評価する相手は簡単に作ったレポートを見抜いてきた百戦錬磨です。
先生は何十、何百のレポートを読んで評価するのです。評価する先生の頭の状態を考えると、様々な文章を読みすぎて理解するのにも一苦労。集中力の途切れかかりゲシュタルト崩壊状態でレポートを評価するのです。
先生は洗脳されやすい
洗脳によく使われる方法として、何時間も意味不明な事を聞かせたのち急にわかりやすい言葉・優しい言葉で語りかけられると洗脳しやすいと言われています。先生たちはまさにこの洗脳されやすい状態にいるのです。その中でわかりやすくまとまったレポートは必ず目を引きます。
それが最初に決めた箇条書き。「キャッチコピー」です。キャッチコピーを流し読みするだけで内容がわかるという構成が伝わりやすく、評価されやすい文章です。
先生たちはノーベル賞並みの研究結果や、芥川賞並みの文章力を求めているわけではありません。ネットで検索したら出てくる文章など、先生はお見通しです。
ちゃんと調べて、ちゃんと探したという過程が伝わる事が何より大事です。
難しい事を面白く
企画書やレポートは、普段の業務や、テスト勉強と違い自発的にテーマを決めて取り組むものです。それは何よりも楽しむ事ができる課題でもあるのです。
クロマニョンズのマーシー事、真島昌利さんの言葉でこんな言葉があります。
「難しいことはわかりやすく、
わかりやすいことは面白く、
面白いことは深く」
与えられた事をやるのは簡単ですが、自らテーマを決める難しさには楽しさもあります。
レポートや企画書は楽しんで取り組んでください。面白いことを深く掘り下げたものは必ず人に伝わりますから。