アップル社がアルミニウムの新技術に総額1億4,400万ドル投資 世界で初めてカーボンフリーな精練工程で作られたアルミニウム アルミニウムはApple製品の多くに使われている主要な材料ですが、130年以上にわたって同じ方法で作られてきました。それが今、変わろうとしています。 アルミニウム大手のアルコア・コーポレーションとリオ・ティント・アルミニウムは本日、アルミニウム生産の主要な工程である従来の製錬工程から温室効果ガスの直接排出をなくす特許技術を商業化するジョイントベンチャーを発表しました。

アルミニウム製造の革命に1億4,400万ドルを投資

これは世界で最も多く使われている金属の一つであるアルミニウムの製造を革新的に前進させるものです。 製品が環境におよぼす影響をイノベーションを通じて削減するというAppleの約束の一環として、同社はこの技術開発の加速に一役買いました。 Apple(アップル社)はアルミニウムメーカーである両社、そしてカナダ政府、ケベック州政府とパートナーシップを組み、合同で総額1億4,400万ドルを将来の研究開発のために投資します。 「Apple(アップル社)は地球にとって良い技術、今後何世代にもわたって地球を保護するのに役立つ技術を前進させることに取り組んでいます。私たちは、この野心的な新プロジェクトの一翼を担うことに誇りを持っており、将来的に温室効果ガス(主に二酸化炭素)の直接排出を伴わない製法で作られたアルミニウムを私たちの製品の製造に使うことができるようになることを期待しています」と、Apple(アップル社)のCEO(最高経営責任者)ティム·クックは述べています。

二酸化炭素ではなく酸素を放出する新たなアルミニウム生産方法

新しいアルミニウム生産方法は、製錬工程で温室効果ガスではなく酸素を放出します。 アルミニウムは1886年にアルコアの創業者チャールズ・ホールが開発して以来約130年もの間この彼の製法によって生産されてきました。 この製法ではアルミナに強い電流を流して酸素を取り除きます。ホールが行った実験でも今日最大手の製錬業者が採用している方法でも、工程中に炭素材料を使うため、それが温室効果ガス(主に二酸化炭素)を生み出しています。 新たな工程では二酸化炭素ではなく酸素が放出されます。これが環境に与える影響はとても大きく、早期の実用化に向けて、アルコアはパートナーを必要としていました。 そこでAppleで事業開発を担当するデビッド・トム、メイジア・ブルマンドそしてショーン・カマチョがリオ・ティントに声をかけ、協力関係が始まりました。 アルコアとリオ·ティントの両社はエリシス(Elysis)という名前のジョイントベンチャーを設立しました。エリシスは、より大きなスケールでの生産と商業化に向けてこの技術をさらに発展させ、2024年にはパッケージの販売を開始する計画です。Appleも技術支援の提供を続けます。ピッツバーグ郊外のアルコアテクニカルセンターではすでに特許出願中の技術が使われており、このプロジェクトは米国内で3,000万ドル以上を投資する予定です。 この新製法の開発が完成し実用化されると、世界中の製錬工程から温室効果ガスの直接排出がなくなり、カナダと米国のアルミニウムおよび製造業の密接な協力関係がさらに強化されます。 Appleはさらに、将来的にすべての製品を再利用または再生可能材料で作るという同社の目標の一環として、iPhoneをこれまで以上に効率的に分解し、将来のハイテクリサイクルのために貴重なパーツを回収することができるロボット、Daisyの運用を開始しました。